日本神話の三十八柱を、ひとことずつ。
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三十八柱 索引
- 天照大御神アマテラスオオミカミ ◆
- 月読命ツクヨミノミコト ◆
- 建速須佐之男命タケハヤスサノオノミコト ◆
- 伊邪那岐イザナギ ◆
- 伊邪那美イザナミ ◆
- 天宇受賣アメノウズメ ◆
- 天之手力男アメノタヂカラオ ◆
- 思金神オモイカネノカミ ◆
- 猿田彦サルタヒコ ◆
- 瓊瓊杵尊ニニギノミコト ◆
- 木花之佐久夜比売コノハナノサクヤビメ ◆
- 石長比売イワナガヒメ ◆
- 火照命ホデリノミコト ◆
- 火遠理命ホオリノミコト ◆
- 豊玉毘売トヨタマビメ ◆
- 玉依毘売タマヨリビメ ◆
- 大山津見オオヤマツミ ◆
- 大綿津見オオワタツミ ◆
- 大国主オオクニヌシ ◆
- 八上比売ヤカミヒメ ◆
- 須勢理毘売スセリビメ ◆
- 少名毘古那スクナビコナ ◆
- 事代主コトシロヌシ ◆
- 建御名方タケミナカタ ◆
- 経津主フツヌシ ◆
- 建御雷タケミカヅチ ◆
- 八俣遠呂智ヤマタノオロチ ◆
- 櫛名田比売クシナダヒメ ◆
- 建葉槌タケハヅチ ◆
- 天津甕星アマツミカボシ ◆
- 黄泉津大神ヨモツオオカミ ◆
- 火之迦具土ヒノカグツチ ◆
- 宇迦之御魂ウカノミタマ ◆
- 天之御中主神アメノミナカヌシ ◆
- 高御産巣日神タカミムスビ ◆
- 大物主神オオモノヌシ ◆
- 大宜都比売オオゲツヒメ ◆
- 志那都比古神シナツヒコ ◆
01 天照大御神(アマテラスオオミカミ)
AMATERASU-OMIKAMI / GODDESS OF THE SUN
司るもの 光・統べる・正道
高天原を統べる太陽の女神。伊邪那岐が黄泉から戻り身を清めたとき、左目から生まれました。弟・須佐之男命の乱暴に心を痛め、天岩戸に隠れて世界から光が失われます。神々は説得ではなく祭りを起こし、天宇受賣の舞に八百万の神が笑いました。その笑い声を不思議に思った女神が、自ら戸を開けます。伊勢神宮内宮の御祭神。
▸ 隠れていた光が、いま照らし出される。あなたが中心でいい。
02 月読命(ツクヨミノミコト)
TSUKUYOMI-NO-MIKOTO / GOD OF THE MOON
司るもの 静寂・内省・潮
夜を治める月の神。伊邪那岐の右目から生まれ、姉である太陽と昼夜に分かれました。保食神を斬ったことで姉の怒りを買い、以来ふたりは二度と同じ空に並ばなくなったと語られます。三貴子のひとりでありながら神話にほとんど登場せず、その沈黙こそがこの神様の性質です。伊勢の月讀宮に鎮まります。
▸ 答えは夜にある。急がず、満ちるのを待つ。
03 建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)
SUSANOO-NO-MIKOTO / GOD OF STORMS
司るもの 荒ぶる力・突破・情
嵐と海原の神。母のいる根の国を慕って泣き続け、山を枯らし海を干上がらせました。高天原で乱暴を働き追放されますが、出雲に降りると八岐大蛇を退治し、櫛名田比売を救います。壊す力が、そのまま守る力に変わりました。日本最古の和歌「八雲立つ」を詠んだ神でもあります。
▸ 嵐は壊すためでなく、淀みを流すためにやって来る。
04 伊邪那岐(イザナギ)
IZANAGI / THE MALE WHO INVITES
司るもの 創造・決断・禊
国生みの男神。天浮橋に立ち、天沼矛で海をかき混ぜ、滴り落ちたものが最初の島となりました。世界は完成図からではなく、ひとつの動作から始まっています。妻を追って黄泉へ行き、変わり果てた姿を見て逃げ帰り、身を清めた禊から天照大御神・月読命・須佐之男命が生まれました。
▸ まず一歩を差し出す。形はあとからついてくる。
05 伊邪那美(イザナミ)
IZANAMI / THE FEMALE WHO INVITES
司るもの 生と死・受容・変容
国生みの女神。多くの島と神々を生みましたが、火の神を産んだことで命を落とします。黄泉の国で「見ないでほしい」と告げた約束は破られ、夫と永遠に分かたれました。黄泉比良坂に千引の岩が据えられ、生と死の境目が生まれます。最期の瞬間まで、この女神は生み続けました。
▸ 終わりを認めたとき、次のいのちが動きだす。
06 天宇受賣(アメノウズメ)
AME-NO-UZUME / GODDESS OF DANCE AND MIRTH
司るもの 歓喜・解放・魅せる
芸能と歓喜の女神。天照大御神が岩戸に隠れ世界が闇に沈んだとき、桶を踏み鳴らし、神懸かりして舞いました。あまりの姿に八百万の神々が笑い、その笑い声が閉じた岩戸を開かせます。誰ひとり「出てきてください」とは言いませんでした。のちに猿田彦と結ばれます。
▸ 取り繕うのをやめると、世界のほうが開いていく。
07 天之手力男(アメノタヂカラオ)
AME-NO-TAJIKARAO / GOD OF STRENGTH
司るもの 剛力・後押し・開く
怪力の神。天照大御神が岩戸からわずかに顔をのぞかせた一瞬に、その手をつかんで引き出しました。力そのものより、その時を逃さなかったことが決定的でした。開けた岩戸は投げ飛ばされ、信濃の戸隠山になったと伝わります。
▸ 動かないと思った岩は、もう緩みはじめている。
08 思金神(オモイカネノカミ)
OMOIKANE-NO-KAMI / GOD OF WISDOM
司るもの 智慧・策・見通す
知恵と思慮の神。岩戸開きのとき、力ずくではなく「祭りを起こす」という策を立てたのがこの神様です。鏡を掛け、鶏を鳴かせ、舞を用意する。順序を組んだ者がいたから、扉は開きました。天孫降臨でも、誰を使者に立てるかを議る場に必ずいます。
▸ 勢いではなく、順序で解ける問題がある。
09 猿田彦(サルタヒコ)
SARUTAHIKO-OKAMI / GOD OF GUIDANCE
司るもの 導き・岐路・先導
導きの神。天孫降臨のとき、天と地の分かれ道に立ち、上下を照らすほどの光を放っていました。神々は恐れて近づけませんでしたが、天宇受賣が名を問うと「お迎えして先導しようと待っておりました」と答えます。道を作ったのではなく、すでにある道を指し示し、先頭を歩いた神です。
▸ 道はもう選ばれている。あとは足を出すだけ。
10 瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)
NINIGI-NO-MIKOTO / THE HEAVENLY GRANDCHILD
司るもの 降臨・実り・継承
天照大御神の孫。三種の神器と稲穂を託され、高千穂峰に降り立ちました。木花之佐久夜比売に一目惚れして結ばれますが、その姉・石長比売を送り返したことで、子孫である人の命に限りができたと語られます。受け取ったものを地上で実らせるために降りてきた神です。
▸ 受け取ったものを、惜しまず地に降ろす。
11 木花之佐久夜比売(コノハナノサクヤビメ)
KONOHANASAKUYA-HIME / THE BLOSSOM PRINCESS
司るもの 華・刹那・情熱
桜のように美しい女神。大山津見の娘で、瓊瓊杵尊の妻となります。一夜で身ごもったことを疑われ、身の潔白を証すため戸を塞いだ産屋に自ら火を放ち、燃えさかる炎の中で三柱の御子を産みました。富士山本宮浅間大社をはじめ、全国の浅間神社に祀られています。
▸ 短いから美しい。いま咲くことを惜しまない。
12 石長比売(イワナガヒメ)
IWANAGA-HIME / PRINCESS OF ENDURING STONE
司るもの 永続・忍耐・不変
岩のように変わらぬ命を象徴する女神。妹の木花之佐久夜比売とともに瓊瓊杵尊のもとへ嫁ぐはずでしたが、美しくないという理由で送り返されました。父・大山津見は嘆きます。この姫を添えたのは、天孫の命が岩のように永く揺るがぬようにと願ってのことだったからです。
▸ 華やかさより、続くことを選んでいい。
13 火照命(ホデリノミコト)
HODERI / LUCK OF THE SEA
司るもの 海の幸・誇り・執着
海幸彦とも呼ばれる漁の神。瓊瓊杵尊と木花之佐久夜比売の子で、弟と道具を交換したところ、弟が大切な釣り針を失くしてしまいます。代わりの品を差し出されても決して許さず、その執着がやがて自らの立場を失わせました。のちに弟に従い、隼人の祖となったと伝わります。
▸ 握りしめた手では、次の恵みを受け取れない。
14 火遠理命(ホオリノミコト)
HOORI / LUCK OF THE MOUNTAIN
司るもの 山の幸・探求・転機
山幸彦とも呼ばれる狩りの神。兄に責められ、失くした釣り針を探して海へ潜り、海神の宮で豊玉毘売と出会います。三年を過ごし、潮の満ち引きを操る珠を得て地上に戻りました。探し物の先に、探していなかったものがありました。初代天皇の祖父にあたります。
▸ 失くしたものを追ううちに、思わぬ場所へ着く。
15 豊玉毘売(トヨタマビメ)
TOYOTAMA-HIME / PRINCESS OF THE DRAGON PALACE
司るもの 秘密・献身・変身
海神・大綿津見の娘。火遠理命と結ばれ、出産のとき「見ないでほしい」と願いましたが、夫はのぞいてしまいます。本来の姿を見られた彼女は、子を残して海へ帰り、境を塞ぎました。妹の玉依毘売に、その子の養育を託しています。
▸ 見せずにおく領分が、その愛を守っている。
16 玉依毘売(タマヨリビメ)
TAMAYORI-HIME / PRINCESS OF THE SACRED VESSEL
司るもの 育む・依代・つなぐ
豊玉毘売の妹。姉が海へ去ったあと、遺された子を引き受けて育て上げました。やがてその子と結ばれ、生まれた御子が初代・神武天皇と語られます。名の「玉依」は、神霊が依り憑く器を意味するとされます。主役ではない場所で、血脈を繋いだ女神です。
▸ 支える側にまわることは、退くことではない。
17 大山津見(オオヤマツミ)
OYAMATSUMI / GOD OF THE MOUNTAINS
司るもの 山・器・見守る
山々を統べる神。伊邪那岐と伊邪那美の子で、木花之佐久夜比売と石長比売の父にあたります。娘たちを送り出す立場にあり、瓊瓊杵尊が姉を返したときには、人の命が儚くなる理由を告げました。動かず、大きく、すべてを見ている神様です。
▸ 動かずにいることが、最も強い働きになる時がある。
18 大綿津見(オオワタツミ)
OWATATSUMI / GOD OF THE SEA
司るもの 海・潮目・根本
大海を統べる神。豊玉毘売と玉依毘売の父です。豊漁をもたらす一方、荒波となってすべてを呑み込むこともあります。火遠理命が失くした釣り針を探しに来たとき、海の魚を集めて見つけ出し、潮を操る珠を授けました。その表情は絶えず変わり、原因はいつも水面の下にあります。
▸ 表に出た波ではなく、その下の流れを見る。
19 大国主(オオクニヌシ)
OKUNINUSHI / GOD OF BONDS
司るもの 縁・忍耐・築く
国造りの神であり、縁結びの神。兄たちに二度殺されて二度蘇り、根の国で須佐之男命の試練を越えて、ついに葦原中国を治めました。傷ついた白兎を助けた話でも知られます。一度もひとりで勝っていない神で、助けた者に助けられて進みました。出雲大社の御祭神。
▸ 遠回りに見えた縁が、そのまま道になっている。
20 八上比売(ヤカミヒメ)
YAKAMI-HIME / PRINCESS OF INABA
司るもの 選ぶ・清らか・退く
因幡の美しい姫。求婚に訪れた八十神をすべて退け、傷ついた兎を助けた大国主を選びました。のちに出雲へ嫁ぎますが、正妻・須勢理毘売を恐れ、生まれた子を木の俣に置いて故郷へ帰ります。自分で選び、自分で退いた女神です。
▸ 自分で選び、自分で退く。どちらも誇っていい。
21 須勢理毘売(スセリビメ)
SUSERI-HIME / THE FIERCE CONSORT
司るもの 情熱・嫉妬・覚悟
須佐之男命の娘であり、大国主の正妻。蛇の室、百足と蜂の室、火を放たれた野原と、父の課す試練から夫を救い、ともに逃げ延びました。気性が強く、夫の度重なる浮気には激しく嫉妬したと伝えられます。感情を隠さなかった女神です。
▸ 苦しさを我慢に変えず、言葉にしてよい。
22 少名毘古那(スクナビコナ)
SUKUNABIKONA / THE SMALL GOD OF MEDICINE
司るもの 小さきもの・知恵・癒し
手のひらに乗るほど小さな神。蛾の皮の衣を着て海の彼方から現れ、大国主とともに国造りを進め、医薬と温泉の術を伝えました。そして役目を終えると、粟の茎に弾かれて常世の国へ渡っていきます。小さな手当てが、大きな流れを変えました。
▸ 小さな手当てが、大きな流れを変える。
23 事代主(コトシロヌシ)
KOTOSHIRONUSHI / GOD OF ORACLES
司るもの 託宣・受容・切替
大国主の子で、託宣の神。国譲りを迫られたとき、美保の岬で釣りをしていた手を止め、ためらわずに承諾して身を退きました。そのまま船を踏み傾け、青柴垣に隠れたと語られます。恵比寿神と同一視されることもあります。
▸ 引き際を知る者が、次を手にする。
24 建御名方(タケミナカタ)
TAKEMINAKATA / GOD OF STRENGTH AND WIND
司るもの 抵抗・再起・守り
大国主の子。国譲りに抵抗し、建御雷と力比べを挑んで敗れ、諏訪の地まで逃れました。そしてその地に留まることを誓い、諏訪大社の神として長く人々を守り続けています。負けた場所が、そのまま自分の領地になりました。
▸ 負けた場所からでも、守るものは築ける。
25 経津主(フツヌシ)
FUTSUNUSHI / GOD OF THE SWORD
司るもの 断つ・鎮め・静
剣の神。建御雷とともに葦原中国へ降り、国譲りの交渉にあたりました。剣を抜くためではなく、抜かずに収めるために立っていた神です。香取神宮の御祭神で、鹿島の建御雷と対になって祀られることが多くあります。
▸ 斬るのは相手ではなく、迷いのほう。
26 建御雷(タケミカヅチ)
TAKEMIKAZUCHI / GOD OF THUNDER
司るもの 雷・決着・威
雷であり、剣そのものでもある神。伊邪那岐が火之迦具土を斬ったとき、剣についた血から生まれました。国譲りの使者として稲佐の浜に降り立ち、十拳剣を波の上に逆さに立て、その切先の上に座して大国主に迫ります。誰も斬らずに、国を譲らせました。鹿島神宮の御祭神。
▸ 言うべきことを言う。それだけで潮目が変わる。
27 八俣遠呂智(ヤマタノオロチ)
YAMATA-NO-OROCHI / THE EIGHT-FORKED SERPENT
司るもの 試練・誘惑・克服
八つの頭と八つの尾を持つ大蛇。背には苔と杉が生え、目は鬼灯のように赤く光り、腹は爛れていました。毎年ひとりずつ娘を呑んでいましたが、須佐之男命の用意した八塩折之酒に酔って眠り、討たれます。尾からは草薙剣が現れました。倒したのは剣ではなく、酒でした。
▸ 呑まれてはいけないものが、やさしい顔でやって来る。
28 櫛名田比売(クシナダヒメ)
KUSHINADA-HIME / PRINCESS OF THE RICE FIELDS
司るもの 守られる・清め・実り
八岐大蛇の生贄になるはずだった姫。須佐之男命は姫を櫛に変えて自らの髪に挿し、姫を身につけたまま大蛇と戦いました。名の「クシナダ」は稲田を意味するとされます。その後ふたりは結ばれ、出雲に宮を建てました。
▸ 守られていることに、気づいていい。
29 建葉槌(タケハヅチ)
TAKEHAZUCHI / GOD OF WEAVING
司るもの 織る・鎮める・地道
機織りの神。倭文神(しとりがみ)とも呼ばれます。最後まで従わなかった星の神・天津甕星を、武力ではなく織物の力によって鎮めたと伝えられます。武神が誰も勝てなかった相手を、黙々と織り続ける手が収めました。
▸ 派手な力ではなく、織り続ける手が収める。
30 天津甕星(アマツミカボシ)
AMATSUMIKABOSHI / THE DEFIANT STAR
司るもの 異端・孤高・反骨
天香香背男(あめのかがせお)とも呼ばれる星の神。天津神に最後まで従わなかった、日本神話でも数少ない「まつろわぬ神」です。悪神として描かれる一方、その独立性に惹かれる人も少なくありません。建葉槌によって鎮められたと伝わります。
▸ 馴染めないことは、欠点ではない。
31 黄泉津大神(ヨモツオオカミ)
YOMOTSU-OKAMI / DEITY OF THE UNDERWORLD
司るもの 境界・終焉・再生
黄泉の国を統べる大神。伊邪那美が黄泉に留まり、変わり果てた姿となってその主となったと語られます。境界を守り、生者と死者の行き来を断つ神です。黄泉比良坂に据えられた千引の岩が、その境を示しています。
▸ 戻らないと決めた時から、道はひらける。
32 火之迦具土(ヒノカグツチ)
KAGUTSUCHI / GOD OF FIRE
司るもの 破壊・情熱・生成
火の神。生まれるときに母・伊邪那美を焼き殺してしまい、怒った父・伊邪那岐に斬られました。しかしその血と亡骸からは、山の神、雷の神、剣の神々が次々に生まれます。破壊と生成が、切り離せないものとして描かれた神様です。
▸ 燃やした跡地からしか、生えないものがある。
33 宇迦之御魂(ウカノミタマ)
UKA-NO-MITAMA / DEITY OF THE HARVEST
司るもの 実り・循環・豊かさ
稲と食物を司る神。須佐之男命の子で、全国三万社ともいわれる稲荷神社の主祭神です。白い狐を使いとします。狐は秋に山から里へ下り、春に山へ帰る、田と人のあいだを行き来する存在でした。実りとは、蒔き、育て、また蒔く循環そのものです。
▸ 出したものが、めぐって返ってくる。
34 天之御中主神(アメノミナカヌシ)
AME-NO-MINAKANUSHI / LORD OF THE CENTER OF HEAVEN
司るもの 根源・始まり・孤高
天地が初めて分かれたとき、最初に現れた神。造化三神の筆頭です。姿を現してすぐ身を隠し、以後ほとんど物語に登場しません。それでも天の中心にあり、すべてを見ています。何も語らず、何も要求せず、ただ在る神様です。
▸ 今までの常識は一度そっと脇へ。最初の一歩を。
35 高御産巣日神(タカミムスビ)
TAKAMIMUSUBI / GOD OF CREATIVE FORCE
司るもの 生成・結び・後押し
造化三神の一柱。「産巣日(むすひ)」とは、ものを生み出し結びつける力そのものを指します。表舞台には出ませんが、天孫降臨をはじめ、重要な場面の背後で常に働いていました。結ぼうとする力は、気づかれないまま動いています。
▸ 結ぼうとする力が、すでに働いている。
36 大物主神(オオモノヌシ)
OMONONUSHI / DEITY OF MOUNT MIWA
司るもの 見えざる力・畏れ・縁
三輪山に鎮まる神。大神神社には本殿がなく、山そのものが御神体です。大国主の和魂ともされます。夜ごと姫のもとに通い、正体を確かめられると、小さな白蛇の姿を現しました。見ようとしたことで、関係が終わってしまった神話です。
▸ 見えないものを、軽く扱わないこと。
37 大宜都比売(オオゲツヒメ)
OGETSU-HIME / GODDESS OF FOOD
司るもの 糧・与える・恵み
食物の女神。須佐之男命に食事を出したところ、その出し方を侮辱と受け取られ、斬られてしまいます。しかしその亡骸から、稲・粟・小豆・麦・大豆の五穀が生まれました。差し出したものが、かたちを変えて実った神話です。
▸ 差し出したものが、かたちを変えて実る。
38 志那都比古神(シナツヒコ)
SHINATSUHIKO / GOD OF WIND
司るもの 風・変化・払う
風の神。伊邪那岐が朝霧を吹き払った息から生まれたと伝えられます。淀んだ空気を動かし、霧を晴らし、風景そのものを変えてしまう働きを持ちます。伊勢神宮では風日祈宮に祀られ、蒙古襲来のとき神風を起こしたともいわれます。
▸ よどんだ空気は、自分から動かしていい。
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