物語の主役ではありません。
華々しい場面もなければ、印象的な台詞もない。
けれど重要な決定の場には、必ずこの神様がいます。
高御産巣日神とは、どんな神様か
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)。天之御中主神、神産巣日神とともに造化三神と呼ばれます。
名の中心にある**「産巣日(むすひ)」**は、ものを生み出し、結びつける力そのものを指すとされます。
「むすぶ」も「むすこ」「むすめ」も、同じ言葉から来ていると言われます。**結びつくところに、新しいものが生まれる。**その働きの神格化です。
司るものは、生成。結び。そして、後押し。
呼ばれるたびに、いる
この神様が登場する場面を並べてみると、驚きます。
天岩戸のとき。 思金神に策を立てさせたのは、この神の子でした。
国譲りのとき。 誰を使者に遣わすかを議った場に、天照大御神とともにいます。
天若日子が矢を返されたとき。 その矢を投げ返して天若日子を射たのは、この神です。
天孫降臨のとき。 瓊瓊杵尊を降ろす決定に加わっています。
神武東征のとき。 危機に際して、建御雷を通じて剣を届けさせました。
日本神話の転換点に、ほぼすべて顔を出しています。
それなのに、主役として語られることがありません。
「むすひ」とは何か
この神様を理解する鍵は、名前にあります。
**産巣日(むすひ)**とは、生成の力です。
けれどそれは、何もないところから作り出すという意味ではありません。
結びつくことで生まれるという意味です。
天と地が結ばれて島ができる。男神と女神が結ばれて神々が生まれる。人と人が結ばれて子が生まれる。
この神様は、その「結びつく」という働きそのものです。
だから姿を現しません。働きに、姿はないからです。
「見えない力」を、脳の側から見ると
気づかないうちに、判断は動いています
私たちは、自分の考えを自分で組み立てていると感じています。
けれど、意識に上らない処理が判断に影響していることは、繰り返し確かめられてきました。
決めたと思ったときには、すでに傾きが生まれている。理由は、あとから探していることがあります。
**動いているのに、見えない。**それが普通の状態です。
縁は、あとから分かります
人と人の繋がりも同じです。
いま会っている人が、何年後にどう関わるかは分かりません。繋がりの意味は、時間が経ってから見えます。
だから「いま何も起きていない」と感じるとき、本当に何も起きていないとは限りません。
待つことにも、働きがあります
答えが出ないまま問いを置いておくと、脳はそれを手放しません。日中も、眠っているあいだも、水面下で組み替えが続いています。
しばらくして、ふと腑に落ちる瞬間が来る。
あれは、待っていたから起きたことです。
高御産巣日神が背後で働いていたように、あなたの中でも何かが動いています。
いま、あなたに置き換えると
結ぼうとする力が、すでに働いています。
いま何も進んでいないように見えても、糸は動いているかもしれません。
成果が見えないことと、何も起きていないことは、別のことです。
そして、支えてくれているものにも、姿がないことがあります。
誰かの気遣い。過去の自分の選択。たまたま繋がっていた縁。
**目立たないから、無いわけではありません。**この神様が、まさにそうでした。
この神様が現れたとき
神託引きで高御産巣日神が出たなら、それはすでに動きはじめているという報せです。
焦って手を加えなくて構いません。
結ばれようとしているものが、いまあなたのそばにあります。
高御産巣日神とゆかりの深い場所
- 東京大神宮/東京都千代田区 ― 造化三神をあわせてお祀りし、縁結びで知られます
- 高皇産霊神社/各地 ― 全国に「高皇産霊」の名を持つ社が点在します
- 安達太良神社/福島県本宮市 ― 高皇産霊神を祀ります
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もう少し深く読み解きたい方へ
神託引きが伝えるのは「どの神様があなたのそばにいるか」までです。
その神様が、いまあなたが立っている転機に対して何を告げているのか。そこから先は、お一人おひとりの状況を伺わなければ読めません。
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