本物の人生を生きる

「運が悪い」の正体 ― 我慢の癖と、脳が覚えてしまったもの ―

内乃燈

50代になってから職場でのパワハラモラハラがきっかけで鬱になり、生きる希望を無くしていた時に、真の成功者の動画と出逢い救われました。自分と愛する家族を守るために、私が日々、真の成功者から学んでることを、このサイトでシェアしていきます。私と同じように考えていらっしゃる方へ向けて、役に立つ情報を真心を込めて配信していきます。

運が悪い。

そう思ってしまう夜が、ありませんか?

いつも我慢する側にまわってしまう。
気づけば、自分をすり減らす場所を選んでいる。

その繰り返しを、私たちは「運」と呼んできました。

けれど、そこには脳の仕組みが静かに関わっています。

今日は、その話をさせてください。


■ 私たちの毎日は、思っているほど「選んで」いない

同じような相手を選んでしまう。
同じような環境に、また身を置いてしまう。

これは偶然ではありません。

南カリフォルニア大学のウェンディ・ウッド博士らは、参加者に一時間ごとの行動を記録してもらう調査を行いました。
その結果、日常行動のおよそ45パーセントが、ほぼ毎日、同じ場所で繰り返されていたことがわかっています(Wood, Quinn & Kashy, 2002)。

そしてこの研究には、もうひとつ興味深い発見がありました。
習慣的な行動をしているとき、人はその行動とは無関係なことを考えていたのです。
意識して導く必要がないほど、行動が自動化されていたということです。

つまり、私たちの一日の半分近くは、選んでいるようで、選んでいません。

運が悪いのではなく、道が一本しか見えなくなっている。

そういうことが、起こり得るのです。


■ その癖は、生き延びるために作られた

ここで、大切なことをお伝えしたいと思います。

その癖は、欠陥ではありません。

危険を察知し、衝突を避け、場を保つ。それは脳が、あなたを守るために覚えた戦略です。

先ほどの研究では、習慣的な行動のほうが、そうでない行動よりもストレスが少ないことも示されています。
慣れた道を通ることには、たしかに省エネの効果があるのです。

問題は、その戦略が優秀すぎて、必要のない場面でも自動的に起動してしまうこと。

もう安全な場所にいるのに、まだ身構えている。

多くの人が抱えている疲れの正体は、おそらくそこにあります。


■ 笑顔と脳の、少しややこしい関係

「笑っていれば運が向いてくる」

この言葉には、半分の真実があります。

2022年、19か国・3878人が参加した大規模な国際共同研究が『Nature Human Behaviour』に発表されました。
そこでは、意図的に笑顔をつくる動作が、幸福感を高めるだけでなく、幸福感を生み出すことすらあることが示されています(The Many Smiles Collaboration, 2022)。

作り笑いから始めても、気分はわずかに上向く。
それは、実際に起こることです。

けれど、条件があります。

心がすでに悲鳴をあげているとき、無理に笑うことは、まったく別の意味を持ちます。

スタンフォード大学のジェームズ・グロス博士らの実験では、感情を抑えて表情に出さないようにした人たちに、交感神経系の活動が高まる兆候が確認されました(Gross & Levenson, 1993)。
しかも、主観的な感情そのものは、抑えても変わらなかったのです。

つらさは減らないまま、身体だけが働き続けている。

そして、これは日常でも起きています。
感情労働に関する95の研究・494の相関を統合したメタ分析では、本心と表情が食い違う状態(感情不協和)や表層演技が、心身の不調と強く結びついていることが報告されています(Hülsheger & Schewe, 2011)。
表層演技は、健康・態度・仕事の成果・幸福感のいずれにも、一貫して負の影響を及ぼすとされています。

つまり、こういうことです。

余裕があるときの笑顔は、あなたを助けます。
余裕がないときの笑顔は、あなたを削ります。

無理に笑わなくても、いいのです。


■ 運の総量は、決まっていない

「ここで良いことがあったから、次は悪いことが来る」

この感覚を、持っていませんか。

けれど、運の総量が決まっているという考えに、根拠はありません。

これは脳の癖のひとつです。
人は出来事のあいだに因果を見つけたがります。
無関係なことがらを線でつなぎ、物語にしてしまう。そのほうが、世界が予測できるものに感じられるからです。

そして日本には、もうひとつの土壌があります。

我慢を美徳とする価値観です。

耐えることそのものに意味を見出す考え方は、共同体を保つうえで機能してきました。
けれどそれは、共同体のための知恵であって、あなたの幸福のための知恵ではありません。

何かを差し出さなければ、良いことは来ない。

そのルールは、あなたが作ったものではないはずです。


■ 脳は、何歳からでも変わる

社会の基準に従って、それなりに整った人生を築いた。
それなのに、満たされない。

そう感じる方に、お伝えしたいことがあります。

それは失敗ではなく、定義を書き換える時期が来た、というサインです。

そして、書き換えることは可能です。

ドイツのハンブルク大学の研究チームは、平均60歳の健康な高齢者に三球のジャグリングを練習してもらい、脳をMRIで追跡しました。
その結果、高齢の参加者にも、若い世代と同じように、視覚と運動に関わる脳領域の灰白質の変化が確認されました。
さらに、記憶に関わる海馬や、意欲に関わる側坐核にも、一時的な増加が見られています(Boyke et al., 2008)。

年齢を重ねても、脳は新しい回路をつくります。

変化の速度はゆるやかになります。けれど、方向は選べます。

何歳からでも、遅くはありません。


■ ただ、ひとつだけ難しいことがあります

幸せの定義は、あなたが決めていい。

そうお伝えしてきました。

けれど、ここで多くの方が立ち止まります。

決めていいと言われても、どれが自分の声なのか、わからない。

無理もありません。

長いあいだ、他人の基準で選び続けてきた脳は、その道ばかりが太くなっています。
自分の声は、細くなった道の奥のほうで、小さくなっているのです。

だから、ゼロから探そうとしても、見つかりにくい。

必要なのは、探すことではなく、映すことでした。


■ 一枚のカードは、答えではなく、鏡です

人は、外から言葉を差し出されたとき、はじめて自分の反応に気づきます。

コインを投げて、表が出た瞬間に「やっぱり裏がよかった」と思う。
あの感覚です。

決めたのはコインではありません。
あなたはもう答えを持っていて、コインがそれを引き出しただけです。

神託のカードも、同じ働きをします。

一枚を引いて、そこに書かれた言葉を読んだとき、あなたの内側が動きます。

嬉しい。
ざわつく。
腑に落ちる。
認めたくない。

その反応こそが、あなたの声です。

カードが当てているのではありません。
あなたが、自分の声を思い出しているのです。

引く前に、どうか身構えないでください。

良い結果を引こうとしなくて大丈夫です。
当たっているかどうかを確かめる必要もありません。

ただ、一枚を引いて、心の動きを見る。

それだけで十分です。


■ あなたへの処方箋

一つめ。今日、我慢しようとした瞬間に気づいてみてください。
止める必要はありません。
「あ、いま我慢しようとした」と、心の中で言葉にするだけで。
自動運転に、小さな隙間が入ります。

二つめ。笑わない時間を、一日のどこかに置いてください。
誰にも会わない、表情を作らなくていい時間。
本心と表情の食い違いから離れる数分が、削られたものを静かに戻していきます。

三つめ。自分ひとりで答えが出ないときは、一枚だけ引いてみてください。
無理に内省を深めようとしなくて大丈夫です。
差し出された言葉に、自分の心がどう動くか。
そこを見るだけで、輪郭は少しずつ現れてきます。

急がなくて大丈夫です。

長い時間をかけて作られた癖は、長い時間をかけてほどけていきます。


まず、一人で立つこと。
そこから、本物のつながりが始まります。

あなたの魂が、本来の輝きを取り戻せますように。


Soul Insight ― 魂の処方箋 ―

一枚引いた言葉に、あなたの心はどう動くでしょうか。

その反応が、あなたの声です。

神託引き


参考文献

  • Wood, W., Quinn, J. M., & Kashy, D. A. (2002). Habits in everyday life: Thought, emotion, and action. Journal of Personality and Social Psychology, 83(6), 1281–1297.
  • Coles, N. A., et al. (2022). A multi-lab test of the facial feedback hypothesis by the Many Smiles Collaboration. Nature Human Behaviour, 6, 1731–1742.
  • Gross, J. J., & Levenson, R. W. (1993). Emotional suppression: Physiology, self-report, and expressive behavior. Journal of Personality and Social Psychology, 64(6), 970–986.
  • Hülsheger, U. R., & Schewe, A. F. (2011). On the costs and benefits of emotional labor: A meta-analysis of three decades of research. Journal of Occupational Health Psychology.
  • Boyke, J., Driemeyer, J., Gaser, C., Büchel, C., & May, A. (2008). Training-induced brain structure changes in the elderly. The Journal of Neuroscience, 28(28), 7031–7035.
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